会 期:2010年10月3日(日)~2011年1月10日(月・祝)
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
観覧料金:大人600円(550円)、小中学生300円(250円)、( )内は20名以上の団体 65歳以上400円
主 催:益子陶芸美術館、益子町文化のまちづくり実行委員会、
後 援:下野新聞社、栃木放送、エフエム栃木、とちぎテレビ、ブリティッシュ・カウンシル、
イギリスのセント・アイヴスにあるリーチ工房は1920年にバーナード・リーチと濱田庄司によって築かれ、マイケル・カーデュー、キャサリン・プレイデル=ブーベリー、ウイリアム・マーシャルなど伝統的な作風の陶芸家を輩出して、英国陶芸の礎となりました。ジェイソン・ウェイソンはバーナード時代最晩年の1970年代にリーチ工房に学んだ陶芸家です。ルーシー・リーのように日本で知られてはいませんが、個々の土は持つ特質から生まれる形や有り様を求める日本の陶芸とは違い、作者自身の美意識を具現化するようなイギリス陶芸の過去と現在を結ぶ重要な陶芸家の1人です。
ジェイソンは1946年にイギリスのリバプールに生れ、1960年代の数年間はヨーロッパ、北部アフリカ、中東、アジアを旅して「用の器」と「祭事の器」の違いなどを学び、1971年に英国に戻りました。やがて基礎から陶芸を学ぶ必要性を感じ、1976年リーチ工房に加わりました。現在はセント・アイヴスに程近いセント・ジャストの丘に独立して、リーチの伝統的は作風とは違い、使うことを一義的としない個性的な器を作り続けています。ルーシー・リーやハンス・コパーに続く美意識による土による表現が特徴のひとつですが、奇しくも現在愛用している轆轤はコパーが使っていたもので、ジャネット・リーチ(リーチ夫人)を経由してジェイソンのもとに収まりました。
陶肌が砂漠の砂の中で風化したかのような白い作品、あるいはアメリカのプエブロインディアンの作る黒陶風器に磨きを施した暗赤色や濃緑色の作品、現在はブロンズ釉とでもいえる金属的は仕上げで、いずれも民族的香り漂う器形と文様をあしらい、長い時を経たような作品です。
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