濱田とイギリス陶器との出逢いは、濱田がバーナード・リーチとともに渡英する前に、柳宗悦らによって紹介されたロマックス著の「クエント・オールド・イングリッシュ・ポタリー」というイギリス古陶の専門書が元になっていると見られますが、同書に掲載の装飾的な「トフトウェア」の様式よりも、庶民の生活の中にある素朴な様式に注目して行ったのは、バーナード・リーチと共にセント・アイヴスやディッチリングに滞在した期間に得た、郊外の芸術家の暮らしぶりからの学びや、民藝に由来する美意識が影響したことが大きいと推察されます。また数年前に濱田窯長屋門より発見された、濱田所蔵の約100年前のイギリスの田舎の生活を記した研究書「OLD ENGLISH HOUSEHOLD LIFE」(ガートルード・ジェイキル著)に濱田の筆跡と見られるメモ書きがあることなどからも、質朴な田舎の生活への関心の高さを見て取れます。